面白いゲームは“仕組み”で決まる!?ボードゲームの「メカニクス」について考えてみた

私たちが何気なく楽しんでいる『ボードゲーム』
「カタンの交渉が熱くなる!」とか
「ドミニオンの作り上げていく感がめっちゃ良い!」とか
みなさんお気に入りのボードゲームが思い浮かぶと思います。
ではあなたが好きなボードゲーム、「なぜ面白いと感じるのでしょう?」
実はそこには、【メカニクス】と呼ばれる仕組みが関係しているんです。
今回は、ボードゲームにおける【メカニクス】について考えていきたいと思います。
大人と楽しむボードゲーム会『はちボド』や、子どものための居場所『Asobiba』を主催しながら、日々「ボドゲをあんまり紹介しないボードゲームブログ」という奇特なブログ運営をしております。
ぼくが八王子で主催するボードゲーム会の様子なども発信しますので、興味のある方はぜひ『はちボド』にも遊びに来てください♪
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ボードゲームのメカニクスってなんだろう?


メカニクスとは?
メカニクスというのは、「プレイヤーがゲーム内でとる行動のルール体系」と言えます。
トリックテイキング、セットコレクション、タイル配置、ワーカープレイスメント・・・
挙げるときりがないくらい、たくさんの種類が存在していて、「トリックテイキングってあのゲームのことかぁ」と想像できるものもあるんじゃないでしょうか?
例えば名作と名高い『ドミニオン』では、自分のデッキを強化し勝利点を集める「デッキ構築」というメカニクスが採用されていたりしますね。
どのボードゲームも例外なく、いずれかのメカニクスに当てはめることができ、これによってプレイヤーは「デッキを強くしていけばいいんだな」とか「陣地を広げていけばよさそう」といった行動をとることができます。
つまり、メカニクスがプレイヤーの行動のルール体系を作り、プレイ感の核となっていると言えます。
テーマやシステムとの違い
メカニクスと並んでボードゲームに欠かせない要素が「テーマ」や「システム」といった用語。
これらには、どのような違いがあるのでしょうか。
テーマ
テーマとは、世界観や背景のこと。
例えば『カタン』であれば、プレイヤーはカタン島と呼ばれる島を開拓するための開拓者となり、誰よりも先に開拓を進めていくというテーマ。
『ドミニオン』であれば、プレイヤーは中世ヨーロッパの小王国の領主となり、資源や人材を増やしながら領土の拡大を目指すというテーマ。
ボードゲームに没入するための要素です。
システム
ゲーム全体の設計のこと。
①資源を獲得したり管理したりしながら
②建築を進めていって
③勝利点を獲得する
みたいな、ゲームの設計図といえます。
メカニクス
行動のルールや仕組みのこと。
ゲームのテンポ感だったり、プレイヤーの取るべき行動指針だったり、重要な役割を担います。
テーマは似ていてもメカニクスが変わればゲームも大きく変わり、例えば「島の開拓」というテーマにしても、カタンは「拡大再生産」というメカニクスを採用し、クーパーアイランドというボードゲームでは「ワーカープレイスメント」というメカニクスとなっています。
メカニクスによって、ゲームのプレイ感や戦略性も大きく変わってきますね。
メカニクスは感情の設計図

メカニクスによってプレイヤーの感情がどう動くかが決まる
メカニクスによって左右されるものの一つに「プレイヤーの感情」が挙げられます。
- 正体隠匿…疑心暗鬼やスリル
- ビルド系…成長感やコンボの爽快感
- ワーカープレイスメント…プレイエリアの奪い合いの焦りや達成感
メカニクスによってプレイヤーがどのような感情になるのかある程度決まり、感情のスイッチともいえるでしょう。
テーマとの相互作用
先ほどテーマとメカニクスの違いについて説明しましたが、テーマとメカニクスがいかに噛み合うかといったポイントも、ゲームの没入感を決めるために重要な要素となってきます。
例えば『アグリコラ』では、農場の経営を行うというテーマなので、自分のコマ(農民)を動かしながら農場を発展させる「ワーカープレイスメント」がピッタリ。
『人狼ゲーム』では、自分たちが負けないように正体を隠しながら、隠れた敵を見つけるというテーマから、「正体隠匿」がハマる。
『ディクシット』では、夢のようなイラストによる抽象的なインスピレーションから、「表現」がマッチ。
どんなテーマでどんなメカニクスでもゲームは成立するんですが、これが大きく離れていると「何してるゲーム?」ってなるでしょうし、バチっと一致しているゲームは没入感も大きくなります。
メカニクスの掛け算|単独から複合へ
近年のボードゲームでは、複数のメカニクスを組み合わせることが当たり前となってきました。
より複雑で、より豪華なボードゲームがもてはやされる時代に。。。
「基本はセットコレクション。ドラフトの要素でコマを選択し、ワカプレ的な流れでエリアの早取り、レースで得点を稼いでいく」みたいなゲームも当たり前となりつつあります。
よりリッチな体験ができる!といえば聞こえもいいですが、詰め込みすぎ感も否めない作品も多々あって、「どっちらかっちゃってるよね」という評価も耳にするゲームも。
これ自体は好みですが、様々な要素が複合されたゲームが増えてきているというのは事実です。
まとめ
メカニクスとは、プレイヤーの「行動」「思考」「感情」をデザインする仕組みのことです。
これを理解するとボードゲームがより奥深く、より楽しいものになること間違いありません。
「このゲームはどんなメカニクスで成り立っているんだろう?」
「このボードゲームはどんなところがおもしろいの?」
次に遊ぶときは、そんなことにも思いを馳せながらプレイしてみるのもよいのではないでしょうか。
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